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経営に必要なコンピテンシー:後継者を育成する力

【コンサルタント:藤本 正雄】

筆者のコラムでは経営に必要なコンピテンシーについてご紹介しています。今回は、「後継者育成力」の要素について取り上げてみたいと思います。(ここで言う「後継者」は、次世代の経営者のみならず、次世代経営幹部や次世代マネージャーのことも含みます)

<以前のコラムはこちら>

自社の求める人材力を可視化する:コンピテンシーの視点



後継者育成が、「人」という資源の全社最適配分を可能にし、その「人」を動かして成果を創出する上で重要なのは、言うまでもないことです。一方で、グローバルに活躍する企業の経営者の多くが、日本企業の経営幹部やマネージャーにおける「後継者づくりが役割のひとつである」という意識と育成の取り組みの希薄さを指摘しています。

後継者育成に求められる重要な資質を、以下の3つの要素から考えてみたいと思います。
1.後継者の成長を喜べる
2.後継者を適切に選べる
3.後継者に適切な成長機会を提供できる

後継者の成長に無上の喜びを感じることができ、自分のことのように成長を分かち合えることは、後継者を育成する上で重要な要素です。逆に、無意識のうちに「部下が成長すると自分の地位が危うくなる」などと思ってしまう人は、後継者が成長するうえでの障害になってしまうでしょう。

また、「自分の成長なくして後継者は育たない」ことも再認識する必要があります。部下の成長に対する怖さはある意味人間の本能的な反応とも言えますが、自分が日々成長していれば部下の成長も怖くなくなるはずです。何より、(目指すべき人材としての)成長する自分を目にすることで、後継者本人が「そのような人になりたい」とますます思ってくれることになります。こう考えると、「日々自分自身の成長に貪欲である」ことが、「後継者の成長を喜べる」人であることの大前提として挙げられるでしょう。

後継者を適切に選定するには、選定にあたって、上記のような「部下の成長を喜べる」資質を持ち合わせている人材を対象としているかどうかについて、振り返る必要があります。その上で、組織の掲げるビジョン・理念、環境変化や目指すべき方向性を実現させていくうえで適切な資質を持ち合わせている人材を見抜くことが求められます。現在の組織図上で地位が高く当該ポジションに最も近い人物が必ずしも該当者になるとは限らないでしょう。今現在はポジションも能力も限定的だが、理念を人一倍理解し成長の伸びしろが大きい若手が該当者になるかもしれません。あるいは、社外に最適な候補を発見できることがあるかもしれません。後継者の選定には、これらの視点を常に意識しながら将来の組織像から適した候補者を導き出そうとする「嗅覚」が求められるわけです。

(続きは、次回の筆者コラムにて掲載します)

 

【藤本 正雄 (ふじもと まさお)】
株式会社小宮コンサルタンツ コンサルタント
豪州ボンド大学経営学修士課程卒業(MBA)。人材育成専門機関、事業会社の人事部門、組織人事コンサルティング会社を経て現職。経営的視点に加え、産業カウンセラーとして社員個人の視点も踏まえたマネジメントへの示唆にも定評がある。異文化事情にも明るい。人と組織に関する様々なテーマに精通し、コンサルティング・研修等で様々な企業・個人への支援を行う。
■担当分野 経営・人事戦略、各種人材マネジメント支援(採用、人事制度、労務管理、キャリア開発、メンタルヘルス等)、テーマ別スキル育成

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