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経営に必要なコンピテンシー:後継者を育成する力(3)


前回に引き続き、「後継者育成」について取り上げたいと思います。

後継者の「成長機会」の創出について、前回は社内で行う取り組みについて考えました。今回は、経営者や経営幹部の後継者育成を、時間をかけて社外の機会を活用し行う場合について考えてみたいと思います。

 

<前回のコラムはこちら>

「経営に必要なコンピテンシー:後継者を育成する力(2)」



 

社外で行う取り組みとしては、関連会社や他社に武者修行に行くこと、社外Off-JTで研鑽することなどが挙げられます。

研修などの社外Off-JTを、後継者育成の成果を上げるために有効に活用するポイントとして、下記の4つが考えられます。

 

・定期的・継続的に学ぶ

学びの機会を明確にしないと、日々の業務に忙殺される中であれこれ理由をつけて後回しにしてしまいます。

 

・応用からではなく基礎から学ぶ

私たちは、「流行りもの」や「最新」と呼ばれる手法を取り入れ、すぐに成果を上げたいと考えたくなるものです。しかし、こうした手法には流行り廃りがあります。かつ企業のビジネスモデルの差異によって有効な適用度合いも変わりやすく、安易な踏襲は失敗の要因になりえます。

経営や当該ポジションの運営を行う上で普遍的に求められる「原理原則」をまずはしっかりと理解し、複雑な環境変化の中でも本質を見抜き的確な舵取りの判断ができる素養を身につけることが重要です。最新の手法は、「原理原則」を十分体得した後に実践段階で付加することもできるでしょう。

 

・自社の経営・事業に当てはめる

学習が一般論や他社のケースでの考察にとどまっていては、自分のものとして身につきませんし成果も上がりません。Off-JTの実施過程で自社のケースに実際に当てはめて考える十分な機会があることが、効果的な学びのための必須条件でしょう。

 

・仲間と密に学ぶ

人間は弱いものですので、孤独な努力は長続きしません。定期的・継続的な学びを密に共有できる仲間がいることが、長期的なOff-JT成功のカギになります。独学だと「仕事が繁忙期だから」などの理由をつけて課題も流してしまいがちですが、社外の人材の前では体裁を保つために手抜きができなくなります。こうした切磋琢磨の環境は重要でしょう。

また、仲間がいることは精神的な支柱になること以外に、自身の学びを検証できるという意義もあります。原理原則の理解や自社に当てはめた現状分析が的を射たものであるかどうかに関して、講師に加えて仲間からフィードバックを得ることで気が付きやすくなります。

 

育成対象者をどの社外Off-JTに送り出すべきかについて、育成者は上記の4つのポイントに沿って選定してみてはいかがでしょうか。

 

藤本 正雄(ふじもと まさお)

株式会社小宮コンサルタンツ コンサルティング事業部

豪州ボンド大学経営学修士課程卒業(MBA)。人材育成専門機関、事業会社の人事部門、組織人事コンサルティング会社を経て現職。経営的視点に加え、産業カウンセラーとして社員個人の視点も踏まえたマネジメントへの示唆にも定評がある。異文化事情にも明るい。人と組織に関するあらゆるテーマに精通し、コンサルティング・研修等で様々な企業・個人への支援を行う。
主な担当分野:経営戦略、人事戦略、各種人材マネジメント支援(採用、人事制度、労務管理、キャリア開発、メンタルヘルス等)、テーマ別スキル育成

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