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第4次産業革命と企業文化 ~いま取り組むべきことは何か(2)~

テクノロジーの変化が社会と経営に不確実で不透明な変化を迫っていると言われています。日経新聞の記事でもAI対人間というテクノロジーと人間の価値を対峙させる論調で特集が組まれていましたが、いつの時代もテクノロジーの進化によって人間はその余った余剰時間と人員を新たな価値の創造に費やして社会を豊かにしてきたと考えています。

第4次産業革命はAI、ロボティクスそしてIoTというテクノロジーの進化により、その変化のスピードが格段に速いことが特徴とされます。そして生産年齢人口が急速に減っていく日本に於いて、地方企業にとっては新技術による生産性向上は存続に関わる喫緊の経営課題となった感があります。1年前、北海道のとある建設業のお客様で幹部候補の方々を対象に研修をしていた際、「IoTとは何か知っている人は?」と訊ねたら、誰一人知っている人はいませんでした。しかし今では、IoTそのものが今年度の社長方針となっています。

ドラッカーは『ネクストソサエティ』の中で次のように語っています。「知識は瞬時に伝えられ、万人の手に渡る。その伝達の容易さとスピードが、企業、学校、病院、政府機関に対し、たとえ市場と活動はローカルであっても、競争力はグローバル・レベルにあるべきことを要求する。」と。これが現実化し、知識社会において「知識」をもっているだけでは差別化された価値を創造することは難しくなりました。

第3次産業革命を経て、企業は莫大な知識を使う能力、つまり「知能」レベルで差別化を競いました。しかしその人間の知能は四半世紀も経たずに「人工知能」にその役割を譲りそうです。

これからは「知識を使える」=知能では差別化が困難になります。ではこれからの第4次産業革命の時代、人間、そして組織に何が残っていくのか。それは私は「知性」だと考えています。知性とは答えのないモノゴトに処する力です。つまり知識社会から超知識社会(知能社会)そして知性の時代へ。そのために企業は人間中心主義の知性による文化へのシフトが求められていると考えます。いつの世になっても「人に喜んで頂ける」人間にしかできないモノゴトとは何か。答がない世界、それは感情や心の豊かさを求める世界です。このことに気づいて動き出している企業がいま「答えを実直にこなす」文化から「新たな問いを生み出す」文化へシフトを始めています。私たちが創造できる価値とは何か、ワクワクしながら日々現場職場で問われているでしょうか?(次回へ続く)

【熊田 潤一(くまた じゅんいち) 】
株式会社小宮コンサルタンツ コンサルティング事業部
高崎経済大学経済学部卒業。教材メーカーにて営業所長、支店長を歴任し、組織変革や営業育成で実績を残す。その後、NTTラーニングシステムズ株式会社、三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ株式会社にて人材・組織開発コンサルティング事業の立ち上げに参画。自らも法人営業、コンサルタントとして多様な企業の課題解決、研修講師、ファシリテーターに従事。主に企業文化創造、人材開発の側面から経営支援を行う。
■担当分野 経営理念及びビジョンの策定と浸透策、人材開発、組織開発、インナーブランディング、営業パーソン育成、次世代リーダー育成等

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