ホーム > コンサルタントによる<知恵のバトン> > 『ポスト平成』のビジョン・戦略とは ~歴史を学び『対話』する場の必要性~

『ポスト平成』のビジョン・戦略とは ~歴史を学び『対話』する場の必要性~

皆さま、新年明けましておめでとうございます。
今年は平成30年、平成という元号は天皇陛下のお気持ちを受け、来年の5月1日に改元されることが閣議決定されており、そのような意味でこの一年は新たな時代への大きな転換点と捉える方も多いのではないでしょうか。現に「ポスト平成」というテーマのもと、改めてこの30年を総括したり、次の30年はどうなるのかという未来への議論がネットメディアを中心に盛んになってきています。

前回のコラムまで、「第4次産業革命と企業文化 ~いま取り組むべきことは何か~」というテーマで、VUCAと言われる変革の時代と向き合う考え方について述べてきました。
申し上げたかったことは、より良い世の中や会社にしていくための原理原則(多くは古典に書いてあるような叡智)にヒントを得ながらも、より本質的なことに集中していくことの重要さと、そのために新たな時代に適応する解釈と実践を進める「対話の場」の意図的な創造の推奨です。

未来への教科書は過去の歴史にしかありません。それは歴史を暗記することではなく、過去の真実からその瞬間そこに存在した人間が、各々の立場からどのような実践をしたのかを共有し、そこから人間の本質、社会の発展と衰退の法則、事物の共通原則などを読み解くことです。一つ例を挙げましょう。

「人材は一癖あるものの中に撰ぶべしとの論、今の形成に至当なり」

この言葉は技術革新や殖産興業を伴った変革を推し進めたリーダーとして有名な第11代薩摩藩主の島津斉彬公※の言葉です(※第一次産業革命は蒸気機関の動力によるもの。ペリー来航とほぼ同時に日本初の蒸気船を製造した変革リーダー)。斉彬公は変革時の経営・人事方針を以下のように述べています

・人心の一致一和は、政治の要目である
・民富めば国富むの言は、国主たる人の、一日も忘るべからざる格言である
・君主は愛憎で人を判断してはならない
・およそ人は、一能一芸なきものなし、その長所を採択するは、人君の責任である
・十人が十人とも好む人物は非常の時勢に対処できぬから登用せぬ

上記の方針と実践が現在の先進成長企業と同じであることに気が付きます。
幹部同士、専門家同士だと暗黙の了解で終わってしまって議論が深まらず、目的・目標の言葉や数字だけが独り歩きしてしまいます。変化に適応したり、変化を生み出す強い組織にするために、いまこそ改めて歴史の叡智をヒントに、その解釈について自社・自分事として組織内で対話し、意図的に仕事に意味を持たせる「場」を創造することは、ポスト平成に向けて意味のある取り組みだと考えます。

【熊田 潤一(くまた じゅんいち) 】
株式会社小宮コンサルタンツ コンサルティング事業部
高崎経済大学経済学部卒業。教材メーカーにて営業所長、支店長を歴任し、組織変革や営業育成で実績を残す。その後、NTTラーニングシステムズ株式会社、三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ株式会社にて人材・組織開発コンサルティング事業の立ち上げに参画。自らも法人営業、コンサルタントとして多様な企業の課題解決、研修講師、ファシリテーターに従事。主に企業文化創造、人材開発の側面から経営支援を行う。
■担当分野 経営理念及びビジョンの策定と浸透策、人材開発、組織開発、インナーブランディング、営業パーソン育成、次世代リーダー育成等

  • twitter
  • Facebook
  • Google+
  • LINE