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『ポスト平成』に成長し続ける経営とは? ~レッドオーシャンからの脱却~(1)

来年の5月に私たちは新しい時代を迎えます。我が国は年号を通じてその時代を表現し、歴史を紡いできました。「ポスト平成」とは経済誌等の定義では「平成の次の30年」を指していることが多い表現です。次の30年、というとき、まず考えなければならないのはこの30年(平成30年間の時代)は何だったのか、どのような時代だったのかを各社さんごとに振り返ることが大切なように思います。ここを無視して次の30年は描けません。共感できるビジョンにはならない、という事です。それは何故か。

この30年の我が国の状況を経済面から簡単にまとめると以下のようになります。
・GDPはこの25年間ほぼ横ばい、人口8200万人のドイツに抜かれそうな状況
・生産性は1960年代に逆戻り※(OECD30位前後、特にひどいのは1次産業、3次産業。例えば2016年統計一人当たり労働生産性は製造業1,115万円に対し卸・小売業は645万円、内閣府資料)
※1960年21位に対し、現在27位。因みにこの間の産業構造は製造業中心からサービス産業中心に変化(GDPの8割は第3次産業、製造業は2割を切る)
・ジェンダーギャップ(男女格差)指数は144ヵ国中114位(2017年版、世界経済フォーラム発表)。とても「総活躍社会」とは呼べない状況
・平成元年には8社もあった世界の時価総額トップ10ではこの30年で0社に(国内1位トヨタでも30位以下)
・労働者の最低賃金はG7でもずっと最低をキープ(2000年~2016年)
・労働賃金格差は常勤(フルタイムで働く人)平均賃金を1とした場合最低賃金は0.4
(経済的弱者を酷使して成り立っている経済ともいえる)
・未来への投資(R&D)もGDPと同じくずっと横ばい(因みに米国は4~5倍、中国は3倍かけている、文科省資料)

つまり、一所懸命に働いてきたつもりですが、我々は社会を豊かに発展させてこなかったということです。厳しく言えば先人の遺してくれた遺産をただ食いつぶしてきたようなものです。「社会人」とは仕事を通じて社会の発展に貢献する人のことです。新入社員研修で申し上げるようなことですが、この30年を振り返り、今一度自分たちの「貢献」をどこに定めるのか、一人ひとり、1社1社に問われているのです。

目下、数社のお客さまに次世代リーダーの育成をご支援しています。詳細な場のデザインは各々のお客さまごとの実情に合わせてカスタマイズしておりますが、共通で投げかける問いがあります。「皆さんは何者なのか?」です。もう少し具体的に表現すると「どこから来て、どこへ向かおうとしているのか?何を次世代に引き継ごうとしているのか?」となります。この問いから始めることは企業ブランディングでは基本中の基本ではありますが、意外とすぐに答えられないものです。この問いに対する答えを明確にすることから、我々のポスト平成時代への再出発は始まるのです。(次回に続く)

【熊田 潤一(くまた じゅんいち) 】
株式会社小宮コンサルタンツ コンサルティング事業部
高崎経済大学経済学部卒業。教材メーカーにて営業所長、支店長を歴任し、組織変革や営業育成で実績を残す。その後、NTTラーニングシステムズ株式会社、三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ株式会社にて人材・組織開発コンサルティング事業の立ち上げに参画。自らも法人営業、コンサルタントとして多様な企業の課題解決、研修講師、ファシリテーターに従事。主に企業文化創造、人材開発の側面から経営支援を行う。
■担当分野 経営理念及びビジョンの策定と浸透策、人材開発、組織開発、インナーブランディング、営業パーソン育成、次世代リーダー育成等

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