正しい考え方と経営戦略とのつながり

コンサルタントとして日々仕事をさせていただいている中で、正しい考え方に基づいたコンサルティングとはなんだろうかと考える機会があります。今回は、「正しい考え方」といままで私自身がコンサルタントとしての仕事で関わってきた経営戦略とのつながりを考えてみたいと思います。

経営戦略は一般的には「中長期的に利益を生み続けるための競争優位性、差別化」を実現するためのものと言われています。私もKC入社前はコンサルタントとしてそのように考えていました。今も概ね正しいとも思います。

一方で、正しい考え方として「仁の心・・・天地が万物を生成化育するように、我々が万事に対して、どこまでもよくあれかしと祈る温かい心・尽くす心(安岡正篤先生の論語の活学より)」「ビジネスは生成発展のために行うと自然とうまくいくようにできている(松下幸之助さん)」といったことを考えますと、少しベクトルが変わってくるように思います。

経営の目的を「中長期的にお客様・世の中に貢献をする(生成発展・生成化育に貢献をする)こと」と、お客様・世の中目線で捉えた場合には
(1)中長期的にお客様・世の中に選ばれ続けること
(2)中長期的に会社が存続し続けること
を実現することが経営の目的の達成に必要となっていきます。

(1)で中長期的にお客様・世の中に選ばれるためには、中長期的にQPSで選ばれる必要があります。
(2)で中長期的に会社が存続し続けるためには、選ばれるQPSのバランスでのPで出す利益によって会社が「会社の存続のためのコストをまかない、未来投資をして、従業員の待遇改善、株主還元、社会還元」し続ける必要があります。

いくら、経営努力を重ねてもQPSによって選ばれなければ貢献のしようがありません。選ばれるために必要なことはマーケティングとイノベーションです。お客様・世の中に選ばれる商品・サービスを選ばれるQPSバランスで提供するということになります。ただし、選ばれるQPSバランスにおけるPで十分な利益が得られるかどうかについては
・お客様の動向やニーズの変化
・自社の商品・サービスや組織能力の相対的位置付け
・競合他社・代替品の状況
などを踏まえて考える必要があります。

今だけではなく、中長期的にQPSバランスで相対的に選ばれ続けるためには、どの業界を選び、どのポジションに身を置くかといったSP(Strategic positioning:ポジショニング戦略)や、同じコストで提供できるQとSのレベルを高めていくといったOC(Organizational Capabilty:組織能力)といったような戦略論を取り入れながら経営を行っていく必然性があります。
「一隅を照らす。此れ即ち国宝なり」とあります。経営においても、会社がそれぞれの強み(競争優位性、差別化)を活かしてそれぞれの一隅を照らした結果、世の中全体が発展していくことこそが生成発展に貢献する世の中のシステムなのだなぁ、と改めて考えました。

まとめますと、経営戦略は「中長期的に利益を生み続けるための競争優位性」を生み出すための考え方ではありますが、それは「中長期的にお客様・世の中に貢献をする(生成発展・生成化育に貢献をする)こと」を実現するための条件の一つでしかない、ということだと考えます。

【新宅 剛(しんたく ごう) 】
株式会社小宮コンサルタンツ コンサルティング事業部
中央大学経済学部国際経済学科卒業。アーサーアンダーセン税務事務所を経て、財務会計系のコンサルティング会社である株式会社エスネットワークスにて事業再生部門とM&A仲介事業を立ち上げ、軌道に乗せた後に小宮コンサルタンツ入社。経営者に寄り添うコンサルタントという側面と、社内起業家という二つの側面を持ちながら経営コンサルタントとして、戦略の立案推進、経営計画の策定や実行支援、新規事業策定支援、財務戦略・資金調達支援、事業再生コンサルティング及びM&Aの支援も通じた総合的な支援を行っている。中小企業診断士、税理士試験合格者。
■担当分野 経営コンサルティング全般。戦略策定支援、経営計画策定支援、PDCA推進支援、M&A戦略・実行支援、事業再生支援等 等

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