「通年採用」時代に、企業が準備すべきこと

6月に入ると、来年4月入社の新卒採用の選考が解禁となり、スーツ姿の若者をよく目にします。今年の就職戦線は昨年以上の売り手市場といわれており、就職情報のディスコの調査によると、6月1日時点の内定率は71.1%と前年比5.4ポイント上昇しました。一方で「採用活動は順調」とする企業は25%にとどまり、「苦戦」が48%を占めます。今、日本の採用市場は大きな変化を迎えようとしています。今年を最後に現行のルールは廃止され、経団連と大学は通年採用を推進することで合意をしました。

私は、今後通年採用に移行していく中で、企業が採用を成功させるために準備すべきことは
(1)採用基準を明確にすること
(2)中・長期的な組織計画を考えること
だと考えます。

1つ目の採用基準を明確にするというのは、自社の中で、相対的ではなく、絶対的な基準を持つということです。
これまでは、毎年同じ時期に選考が解禁となり、面接・選考が始まり、内定を出すという流れがありました。企業側はその選考期間に来た学生から、自社に合う人材を相対的に比較して採用ができました。筆記試験なら点数の良い方、面接では自社の社風・考え方により合う方を選んでいけば、必然的に内定を出す人材が決まっていたのです。もちろん全ての企業がそうだとは言いませんが、この「一定期間内に決める」「募集があった中から内定を出す」という限定された状況が、最終的な判断をする一因になっていたと考えられます。
しかし、今後「通年採用」となると、学生が応募をする時期、選考を受ける期間にズレが生じ、相対的に判断をすることが難しくなります。自社の中で「採用基準」を設けていないと、いつまでも採用の合否の判断ができなくなってしまうのです。
採用基準を明確にするというのは、明文化するということです。
例えば、筆記試験の点数で合格点を設けることや、人生の経験で、スポーツ経験、リーダー経験、5年以上継続している趣味、ボランティアの経験・・など様々な経験群から2つ以上該当が必要。と決めることや、性格面で、素直さ、前向きさ、誠実さ、明るさ、積極性、主体性、協調性・・・のうち、3つクリアしていれば採用する。等
自社に合う人物像から、独自の採用基準を設けることが大切です。

「中・長期的な組織計画を考える」ということですが、自社のあるべき姿に近づくために、3年後、5年後、10年後に組織はどうあるべきかを明確にするということです。中長期的な組織計画があることで、「いつ・どのような人材を・何名採用していくか」を計画することが、採用基準を考える上で必要となります。

私は「企業は人で決まる」と思っています。特に中小・中堅企業は1人の与える影響は大きいです。ぜひこの機会に、来年以降の自社の組織について、また、採用する際にどのような基準が必要かを考えてみてはいかがでしょうか?

【野間 健太郎(のま けんたろう) 】
株式会社小宮コンサルタンツ コンサルティング事業部
中央大学経済学部卒業。人材スカウトのレイスグループ、タナベ経営を経て現職。 タナベ経営では最年少チーフコンサルタントとして、業界問わず様々なコンサルティング業務を経験し、セミナー部門のチーフとしても実績を残す。 現在は採用や事業承継など、組織・人事分野を中心に、経営戦略や事業戦略、中期計画の策定、新規開拓営業支援、ブランディング戦略など各種コンサルティングに携わっている。
■担当分野 企業診断、採用支援、事業承継、人事評価制度策定、経営戦略、中期計画策定、ブランディング戦略、新規開拓営業支援、新規事業開発、各種プロジェクト支援 等

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