数字から何を感じるか

業界で久しぶりの大ヒットと言われているコンビニコーヒー。手軽に美味しいコーヒーを飲めるので利用されている方は多いと思います。
私は初めてコンビニコーヒーを購入した際に、価格表を見てとても大きな違和感を感じました。突然ですが、下記の某コンビニエンスストアのコーヒーの価格を見てどう思われますか?
●ホットコーヒー:レギュラー100円、ラージ150円
●アイスコーヒー:レギュラー100円、ラージ180円

そうなんです、レギュラーの価格は同じなのにラージの価格がアイスコーヒーの方が30円高いのです。それでは、なぜこのような価格体系になっているのでしょうか。

まず価格を決める際に考慮すべき要素として①内部的なコストの視点、②外部的なお客様が感じる価値の視点の2つがあります。
まずコストの視点で見ていくと、ホットコーヒーとアイスコーヒーのコストには結構な差があります。何が異なるかというとまず氷の原価、そして店舗内の冷凍保管コスト、そして店舗までの冷凍輸送コストです。このようにコストに差がある分、ラージでアイスコーヒーの方が価格が高いことは合理性があると言えます。
それでは、もう一方のレギュラーはなぜ同じ価格なのでしょうか?ここで考えなければいけないのが、もう一つの要素であるお客様が感じる価値の視点です。どういうことかと言うと、アイスコーヒーもホットコーヒーと同じ1杯100円というインパクトのある価格の方が、より価値を感じていただき沢山売れるだろうという考え方です。コンビニ側としてはアイスコーヒーのレギュラーはその商品自体ではそれほど儲からなくても、来店するお客様が増えてくれれば構わないという戦略的な値付けであることが推測されます。

コンビニコーヒーを例に出して説明しましたが、大切なのはアイスコーヒーのレギュラーはあまり儲からないということを理解することではなく、数字を見て違和感を感じ、そこから深く思考することです。
私もお客様の役員会などに参加することがありますが、価値を提供するためにも、その時間内で他の参加者が気づかない点を指摘する必要があります。また同様に経営者・経営層の方も会社の内部的な数字を見て、問題的に気づき解決のための指示を出す必要があると思います。そのためのトレーニングとして、普段から世の中の色んな数字から仮説を立てる習慣が必要です。世の中、色んな数字注意深く観察すると会社の戦略や思惑が見えてきて面白いものですよ。

【平野 薫(ひらの かおる) 】
株式会社小宮コンサルタンツ コンサルティング事業部
宇都宮大学卒業。キユーピー株式会社、株式会社帝国データバンクを経て現職。帝国データバンクでは年間約400社の調査を実施。優秀調査営業社員に選ばれ社長表彰を受ける。現在は上場企業や公的機関などの幹部・管理職を対象とした教育研修、および企業戦略の立案など各種コンサルティングに携っている。
■担当分野 経営戦略、財務会計、管理会計、マクロ経済、与信管理

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