AIは人間の仕事を奪うのか?

「AIの登場により人間の仕事が奪われるのではないか?」そんな話が話題になる事があります。この疑問のひとつの解釈について、今日はお伝えできればと思います。

先日TVを見ていたら、NHKでAIについての番組が放送されていました。その番組で紹介されていたのは「お笑いのAI」。どんなAIなのかというと、例えば、大喜利のように「こんな忍者はいやだ」というようなお題を入力すると、面白いボケをたくさん出してくれるというAI。AIなので、データをたくさん読みこませて学習させないといけないのですが、そうするためには、先ほどとは逆に「AIから大喜利のお題を出してもらい、それに対して人間がボケる」これを繰り返す事で学習させ、面白いお笑いAIを育てる事ができるという代物なんです。このNHKの番組では、何人かの一流のお笑い芸人さんに、まっさらな状態のお笑いAIをそれぞれに持たせ、そのAIが出してくるお題にボケを入力して学習させて面白いAI(弟子AI)を育てる。その上で、その弟子AI同士が、大喜利でお笑い対決をするというものでした。

そこで驚いたのが、それぞれの弟子AIのボケのレベルの高さでした。また、お題に対して瞬時にいくつものボケをどんどん出してくる事にも驚きました。「これがあれば多くのお笑い芸人さんはいらなくなるのではないか」と思うほどでした。

一方で弟子AIは、よくわからないボケ(一見面白くないボケ)を出してくる事もありました。しかしながら、そのボケに対して、お笑い芸人さんが状況を説明したり、突っ込んだりする事によってとても面白くなるというボケがありました。

そこでピンときた事がありました。AIのデメリットをご存じでしょうか?AIは、瞬時に最適な解答を出してくれるのですが、なぜその解答を出したのかというロジック(論理)は教えてくれないという問題(AIのブラックボックス問題)が存在します。
例えば、病気を診断するAIがあるとします。そのAIが「あなたは1年後に肺がんになります」という解答を出したとします。しかしながら、なぜ肺がんになるのかという理由は教えてくれないのです。理由がわからなければ、患者さんを混乱させる事にもなりかねないので伝える事は難しい。AIを活用していくにあたり、大きな問題となっている点です。

そこでお笑いAIの話に戻ります。一見よくわからないボケ。これが一流のお笑い芸人さんの手にかかるとグッと面白くなる。これです。何が言いたいかというと、AIだけでは機能しないという事。人間がかかわる事によってAIは活かされるという事。そしてここで重要なのは、一流の人間がかかわるという条件が付く事。言い換えれば、一流の人間であれば、AIを活用して新しい価値を発揮する事ができるという事。NHKの番組を見て、そのような事を考えました。

AIに仕事を奪われない方法のひとつに「その道の一流を目指す」という解がありそうです。

【金入 常郎(かねいり つねお) 】
株式会社小宮コンサルタンツ コンサルティング事業部 マネージャー チーフコンサルタント
早稲田大学社会科学部卒業。基幹システム(ERP)の導入コンサル及び、採用・教育コンサルを経て現職。これまで、基幹システム構築、業務改革、組織活性化、ブランディング、新規事業立ち上げなど様々なコンサルティングやプロジェクトに携る。現在でも、採用や教育など、お客さま先での各種プロジェクトの支援や会計、マーケティング、お客さま第一主義など、各種研修に携わっている。
■担当分野 採用支援、組織活性化、基礎力向上、各種プロジェクト支援

  • twitter
  • Facebook
  • Google+
  • LINE