後継者不足時代に必要な3つの承継


今年の10月1日、世間の関心は「消費税増税」に向いていたと思いますが、10月1日は多くの企業で「内定式」が開催された日でもあります。

私も仕事でお客様の内定式に参加をしましたが、内定者の表情には、来年4月から新社会人になることへの期待やワクワク感が現れていました。私も社会人の先輩として、仕事の楽しさ、面白さを伝えられるようにならなくてはと、良い刺激をもらいました。

人材に関していえば、私が様々な企業様を訪問した際、必ずといっていいほど出る話題が「人手不足」の問題です。さらにその中でも最近は「後継者不足」に悩む中小企業様が一段と増えていると感じます。

日本のすべての企業のうち、中小企業が占める割合は99%。労働者の70%は中小企業に勤務しています。そんな中小企業の経営者のうち、今後10年の間に70歳を超えるのは245万人。しかし、そのうちの3分の2は後継者が決まっていない状況にあります。

中小企業経営者の平均引退年齢は「67.7歳」というデータがあることから、まさに今、事業承継が急務となっているわけです。

また、2018年の「休廃業・解散」は2万3026 件と、倒産件数の約3倍。中小企業庁は、2025年には日本企業全体の3分の1にあたる127万社が、後継者不足などによって廃業リスクに直面すると試算しています。

20年ほど前までは、事業承継といえば親族内承継が当たり前で、後継者の確保は比較的容易でした。しかし少子化の影響もあり、そもそも引き継ぐ子供がいない、あるいは子供がいても事業や経営に興味を示さないといった理由で難しくなっています。




当たり前のことですが、後継者が決まっていても、「代表取締役」という肩書だけを引き継ぐだけで経営は上手くいきません。

私は事業承継には次の3つの承継が必要だと考えています。

それは、(1)「考え方の承継」 (2)「資産の承継」(3)「人脈の承継」の3つです。

(1)「考え方の承継」とは企業の方向付けなど、経営判断の基準となる「モノサシ」となる考え方を引き継ぐことです。

(2)「資産の承継」とは、企業の株を含めた、事業資産の承継のことです。

(3)「人脈の承継」は銀行や主要取引先、また社員等、承継後も円滑に経営をするために必要な人脈をつないでおくことです。




この3つを承継するために、
事業承継状況を整理する「バトンタッチノート」と、承継計画を見える化する「承継カレンダー」を作成することを勧めています。計画がなくては、どこかで抜け漏れがでて、これまで培ってきた企業の力が、承継のタイミングで弱くなってしまうのです。
「バトンタッチノート」、「承継カレンダー」については、次回詳しく紹介致します。
今回のメールを読んで、自社の事業承継について考えて頂くきっかけとなれば幸いです。
【野間 健太郎(のま けんたろう) 】

株式会社小宮コンサルタンツ コンサルティング事業部
中央大学経済学部卒業。人材スカウトのレイスグループ、タナベ経営を経て現職。 タナベ経営では最年少チーフコンサルタントとして、業界問わず様々なコンサルティング業務を経験し、セミナー部門のチーフとしても実績を残す。 現在は採用や事業承継など、組織・人事分野を中心に、経営戦略や事業戦略、中期計画の策定、新規開拓営業支援、ブランディング戦略など各種コンサルティングに携わっている。
■担当分野 企業診断、採用支援、事業承継、人事評価制度策定、経営戦略、中期計画策定、ブランディング戦略、新規開拓営業支援、新規事業開発、各種プロジェクト支援 等

  • twitter
  • Facebook
  • Google+
  • LINE