事業承継のための2つのツール



前回(昨年10月)にお送りしたメルマガで、事業承継には3つの承継が必要だとお伝えしました。3つの承継とは、1「考え方の承継」2「資産の承継」3「人脈の承継」です。
今回はその3つの承継を実践するためのツール、「バトンタッチノート」と「承継カレンダー」についてお伝え致します。

◆バトンタッチノート
これは、事業承継を行うために、経営者が【考えるべきこと】と【承継するもの】を整理するためのノートです。
【考えるべきこと】とは、
「自分はいつまでに引退したいのか。また、その理由は?」
「引退後はどのように過ごしたいか?(会社に関わり続けたいか、完全に仕事を辞めたいか?」
「後継者は決まっているか?」
「後継者が決まっている場合、本人の同意は取れているか?」
「今の会社は、後継者が引き継ぎたいという魅力のある会社になっているか?」
など、経営者に事業承継についての問いかけをし、その考えをまとめることです。
【承継するもの】の整理とは
・株主構成と株の保有状況
・資産の保有状況
・社長の業務内容
・借入の整理(金融機関ごとの借入金の把握)
・主要な取引先(仕入先、販売先)など
承継すべき事柄を整理します。
万が一、経営者にトラブルが起こった際でも「バトンタッチノート」を確認することで、何を引き継ぐべきか整理されている状態が理想です。

◆承継カレンダー
次に紹介するのは、「承継カレンダー」です。これは、「いつまでに、何を、どのように承継していくか」、事業承継のスケジュールを見える化するためのツールです。
承継カレンダーには、1.西暦(年月日)、2.事業承継関係者(現経営者、後継者候補、経営幹部、次世代の経営幹部)の名前と年齢、3.承継すべき事項、4.後継者・次世代幹部の育成プランを記載します。
上記内容を年表に添って整理することで、経営者の引退時から逆算し、後継者にはいつまでに何を引き継ぐ必要があるか(何を経験させるのが良いか)、後継者をどのように育成するか、後継者を支える次世代幹部をどのように育成するかを1つのシートで確認することができます。
また、期日と実施事項(承継事項)を明確にすることで、バトンを渡す側である経営者と、バトンを受け取る側の後継者での共通認識ができます。
リレーのバトンパスのように、渡し手と受け手のタイミングが合わないと、上手くバトンは渡せません。経営者と後継者が一緒にこの承継カレンダーを作ることで、より効果を発揮します。
多くの経営者にとって、「事業承継」は未経験のものです。
私個人の考えですが、「経営者としての評価は、自分が経営をしている時に会社を発展させて50点。後継者を育成し、事業承継をして50点。合わせて100点満点」だと考えます。
「引き継ぐ」ということは、経営者だけの特別なことではありません。
前任からの引継ぎは、あらゆる役職、部署、業務で発生します。
「引き継ぐこと」、「引き継がせること」について、皆様の考えるきっかけとなって頂けますと幸いです。
今回のツールについてさらに詳しく知りたい方は、いつでもご連絡下さいませ。

【野間 健太郎(のま けんたろう) 】
株式会社小宮コンサルタンツ コンサルティング事業部
中央大学経済学部卒業。人材スカウトのレイスグループ、タナベ経営を経て現職。 タナベ経営では最年少チーフコンサルタントとして、業界問わず様々なコンサルティング業務を経験し、セミナー部門のチーフとしても実績を残す。 現在は採用や事業承継など、組織・人事分野を中心に、経営戦略や事業戦略、中期計画の策定、新規開拓営業支援、ブランディング戦略など各種コンサルティングに携わっている。
■担当分野 企業診断、採用支援、事業承継、人事評価制度策定、経営戦略、中期計画策定、ブランディング戦略、新規開拓営業支援、新規事業開発、各種プロジェクト支援 等



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