自転車の練習と人材育成

先日、5歳になる年中の長男と自転車の練習をしました。半年以上前に自転車を購入し、いつか練習をしようと思っていたものの、なかなか腰が重く集中して練習をしていませんでした。
しかし、このままではいけないと一念発起。年中のうちに乗れるようにしようと意を決し、長女と次男を妻に預け二人で特訓を始めました。YouTubeでコツを勉強し、公園の坂を何十回も上り下りし、何度か転倒して挫けそうになりながらも無事に補助輪なしで自転車に乗れるようになりました。当初はそれほど乗り気じゃなかった長男もとても嬉しそうで、本人の自信にも繋がったと思います。また二人で“人生イベント”の一つを乗り越え、親子の絆を深めるいい機会になりました。今回のことで気づいたのは、子供ができるようになるかどうかは、本人のセンスや能力以上に、親がいかに真剣に向き合って取り組むかが重要だということです。
経営の現場で、社員教育や人材育成のことが話題にあがることは多いです。そのような話題が出た際に感じるのは、社員が育たないと嘆いている経営者ほど人材育成に本気で向き合っていない傾向が強いということです。
かつて、ある一部上場企業の幹部候補研修に参加させていただく機会がありました。この研修は半年間、毎月丸2日実施するハードな研修ですが、毎年数百億円の利益をあげる企業が幹部候補研修でどのようなことをしているのかとても興味がありました。
当日会場に着いて驚いたのは、なんと時折メディアにも登場するその企業のオーナー経営者がいらっしゃったことです。しかも、お話を伺って更に驚いたのは、その日だけでなく毎月2日間、終日参加しているというのです。研修がスタートしてからも誰よりも積極的に発言し、参加者が10名にも満たない幹部候補研修にかける相当な意気込みを感じました。この研修に参加してみて、その企業が長年高収益を上げて成長している理由の一つが垣間見れた気がします。
ホンダ系列のカーディーラーの中で『全国販売店13年連続顧客満足度 No.1』を達成した、ホンダカーズ中央神奈川さんという会社があります。その会社の創業者相澤賢二さんが「社員教育は経営者の責任」とかつて熱く語っていらっしゃいました。社員が勝手に育って会社が成長することはありません。企業の人材育成は家庭の子育てと一緒です。経営者が社員に真剣に向き合い、自分自身の手間と労力を惜しまずにやることが大切です。そしてその結果、経営者と社員の間に絆が生まれ、企業としての一体感も醸成されるはずです。

【平野 薫(ひらの かおる) 】
株式会社小宮コンサルタンツ コンサルティング事業部
宇都宮大学卒業。キユーピー株式会社、株式会社帝国データバンクを経て現職。帝国データバンクでは年間約400社の調査を実施。優秀調査営業社員に選ばれ社長表彰を受ける。現在は上場企業や公的機関などの幹部・管理職を対象とした教育研修、および企業戦略の立案など各種コンサルティングに携っている。
■担当分野 経営戦略、財務会計、管理会計、マクロ経済、与信管理

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