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幸せと成功・・・アウトプットでしか評価されない

年明け以来講演や研修のお仕事をさせてもらうことが多く、先週までで13カ所で行いました。その中で、新春ということもあって、「人生のステージを上げる」ということを何度かお話しました。

それに関連して「幸せと成功の違いは分かりますか」ということも何度か聴衆に問いかけました。これは各人の感覚の問題なので、これでないといけないという定義はないと思いますが、私は「幸せ」というのは自分で決めること、「成功」というのは他の人が決めることだと思っています。
ですから、どんな状況に置かれていても、自分で幸せと思っていれば幸せですし、どんなに恵まれた環境にいても、自分で幸せでないと思えば幸せではないのです。一方、「成功」とは人が決めること、人の評価だと私は考えています。ですから、これも、自分で成功しているなどと思っていても、他人や世間から見ればたいしたことがない、あるいは評価がないというのは、成功しているとは言えないと私は思うのです。

もちろん、一番いいのは、幸せであり成功していることです。そのこととも関連して、私は、人は成功するあるいは少なくとも成功を目指さなければならないと思っています。なぜなら、成功とは、人の評価ですから、人にそれだけ評価されているということであり、それだけ他の人や社会に喜ばれ、貢献しているということだからです。
幸せであるのもとても大切なことですが、それはひょっとしたら単なる自己満足であるかもしれません。厳しいようですが、世間や周りの人は他人の自己満足などになんの関心もないのです。一番いいのは、世間から喜ばれ、評価されて、それを自分の幸せとすることです。そうすれば、成功と幸せの両方を得られます。

それでは、成功するためには何が必要でしょうか。お客さまや周りの人、世間から喜ばれ、評価されるのですから、それにふさわしいアウトプットが必要です。仕事の成果物でも、発言でも、行動でもなんでもかまわないのですが、アウトプットが必要なのです。私たちコンサルタントの仕事で言えば、良い提案をする、講演する、連載や本を書く、会議で発言する、テレビやラジオに出て話す、社内の人に有意義なアドバイスをするなどです。それを積極的にやらない限り、周りの人やお客さま、社会からの評価は得られません。
もちろん、質が問われることは言うまでもありません。そのためには、普段からのインプットや努力が欠かせないのは言うまでもありませんが、インプットは良いアウトプットを生み出すための、大前提や必要条件であって、十分条件はアウトプット、それも良質のアウトプット以外にはありません。インプットももちろん大切ですが、それだけではダメなのです。もっと言えば、アウトプットして、はじめて人から評価され、そして自分の何が足りないかが分かり、さらに、それを伸ばすことができるのです。逆に言えば、アウトプットの質と量が十分でなければ、評価もされず、人にも喜んでもらえないということです。

厳しいようですが、プロの仕事に「努力賞」はありません。努力して当然で、結果しかだれも評価しないからです。「がんばっている自分にご褒美」などと言っていられるのは、アマチュア、それも駆け出しの人の言うことです。高いレベルのアウトプット、つまり、周りの人やお客さま、社会から高い評価を受けてから「ご褒美」を考えるのがプロですし、その評価こそがご褒美だと私は考えています。
講演や出版、テレビ出演などをすると、ご批判を受けることも少なくありません。どんな仕事でも多くのアウトプットを出している人は同様でしょう。もちろん、それは力不足によるものですが、そのご批判に謙虚に反省し、さらに努力してアウトプットの質を上げるということが大切です。いずれにしても、小さな自分の幸せに自己満足することなく、良質のアウトプットを多く出すということが本当の意味での「お客さま第一」であり社会貢献で、自分の「人生のステージを上げる」最良の手段だと考えています。

【小宮 一慶(こみや かずよし) 】
経営コンサルタント。株式会社小宮コンサルタンツ代表取締役会長CEO。十数社の非常勤取締役や監査役、顧問、名古屋大学客員教授。
フィールドでの実践をもとに、企業規模、業種を問わず、幅広く経営コンサルティング活動を行う一方、年百回以上の講演を行う。新聞・雑誌、テレビ等の執筆・出演も数多くこなす。著書130冊超、累計発行部数350万部以上。

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