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ウランバートルで感じたこと

今年も昨年に続き、モンゴルの企業グループで講演しました。2泊4日(帰りは深夜便で韓国の仁川経由で帰国のため)でしたが、日本では経験できないことも多く、感じたことが多い出張でした。

まず、講演に関してですが、今年もウランバートル郊外の草原の中の観光施設で行われました。講演を依頼した企業グループは、今、モンゴル国内で19社を保有し、従業員数も1万人を超えています。人口約300万人のモンゴルではとても大規模な会社です。銀行やモンゴル一のカシミヤ製造・販売会社、トヨタのディーラー、ホテル、レストランなどを経営しており、ウランバートル中心部にも会議をする施設を持っているのですが、そこでは普段と気分が変わらないということで、今年も郊外の大草原の中にあるゲル(テント)中心の観光施設での講演会でした。19社から400名ほどの幹部を集めた研修でしたが、巨大なゲルの中で終日行われました。

まず、驚いたのが私の出迎えです。古代の騎馬兵士に扮し馬に乗った人たち5人が旗を翻しながら私の乗った車の脇を走り500メートルくらい並走して誘導してくれました。日本では絶対にありえないウエルカムだったので私の気持ちもとても高まりました。どんな場合でも相手の気持ちを高めることは大事ですね。講演会の途中では、リラックスタイムも設けてあり、馬頭琴の演奏やグループ企業に関してのクイズなども行われて、去年よりも講演会全体の工夫の度合いが上がっていると感じました。

講演の翌日、グループが経営するトヨタの販売店を訪問して感心したことがありました。トヨタの基準で運営されていて、お店はとてもきれいだったのですが、そのお店の中には、銀行の出張所や保険代理店が、入っていたのです。所得のそれほど高くない国ですから、ローンで車を買う人も少なくありません。銀行がその場で審査をし、信用があれば即ローンが出ます。保険もその場でかけられます。そして、もうひとつの工夫は、銀行については、はもちろん自分たちのグループの銀行が入っているのですが、その一行だけではなく、他の銀行も入れているのです。保険会社も2社、ディーラーの中に入っていました。それにより競争が起こり、自分たちに都合の良いビジネスをせず、お客さまのためになるからなのです。

また、カシミヤ工場やその販売店にも行きましたが、お店ではきれいなディスプレイは当然ですが、簡単なファッションショーまでやって、イベント性を高めるとともに、来店客に着こなしを教えるなどをしていました。先ほどのディーラー同様、日本ではあまり見かけない自由な発想の取り組みに、私もとても勉強になりました。(カシミヤのお店に興味があれば、羽田空港第1ターミナルにそのグループが出店している「GOBI」というお店があります。)

いずれにしても、私としても貴重な経験ができたことをとても有難く思っています。来年も講演を頼まれたので、それに行くのが今からとても楽しみです。

【小宮 一慶(こみや かずよし) 】
経営コンサルタント。株式会社小宮コンサルタンツ代表取締役会長CEO。十数社の非常勤取締役や監査役、顧問、名古屋大学客員教授。
フィールドでの実践をもとに、企業規模、業種を問わず、幅広く経営コンサルティング活動を行う一方、年百回以上の講演を行う。新聞・雑誌、テレビ等の執筆・出演も数多くこなす。著書130冊超、累計発行部数350万部以上。

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