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生きた会議、死んだ会議

6つの会社の社外役員や5つの会社の顧問をしているので、仕事柄会議にはたくさん出席します。会議に出ていて、「生きた会議」と「死んだ会議」があると思っています。私は、基本的には会議は最低限に留めるべきで、本質的にはお客さまに直接貢献できることや、社内の効率化や教育などにその時間を使うべきだと考えています。会議をメインの仕事のように思うのは間違いだと思っています。しかし、最低限の会議は必要でしょう。その会議にも生きた会議と死んだ会議があるのです。

会議で注意しなければならないのは、リーダーが会議で気分良くなってしまうことです。ダメな会社ほど、会議では部下は黙ったままで必要最低限しか話しませんから、リーダーが独演場となり、自分の言いたいことを言い、自分の気分が良くなっているだけの会議です。それでも、まだ、リーダーの能力や識見が高い場合には、部下にも少しは役に立ちますが、能力の低いリーダーの独演会など百害あって一利なしです。部下も言いたいことはあるでしょうが、言ってもムダだし、へんに責任を取らされたくないから話さないのです。そのような会議は死んだ会議で、時間のムダです。

一方、生きた会議とは、活発に議論が行われる会議です。それも意味と意識の両方の共有ができる会議です。私はよく講演などで、「コミュニケーションは『意味』と『意識』の両方を伝えることだ」というお話をしますが、生きた会議とは共有すべき情報である「意味」と気持ちを動かす「意識」が伝わる会議です。たとえば、業績の報告や制度の変更などというのは「意味」です。それに対し、経営者の気持ちや、なぜその仕事をやらなければならないか、仕事を通じて喜びを得るにはどうすればいいのかといったことは、「意識」の部分が大きいことです。生きた会議では、お客さまに喜んでいただいたことや社員の表彰の報告などで「感動」を覚えることすらあります。

もちろん、業績や組織変更など、意味を共有することも大切ですが、意味を伝えるだけなら、メールで十分な場合も少なくありません。しかし、意識を伝えるには、やはり面と向かって話をするのが一番です。
ただし、誤解しないでいただきたいのは、意味の伝達が不要だと言っているのではありません。お互いに知っておくべきことを頭に入れておいてもらうことも、会議の大きな目的です。「共通の理解や認識」を持つ場だということです。そのことに関しても、会議の場で、リーダーや会議の主催者は、「ここはきちんと分かって欲しいこと」ということをしっかりと相手に理解してもらえるまで、伝える工夫をしなければなりません。

生きた会議では議論が活発になされます。だれかがわざと議論をかき回すような発言をすることも時には必要でしょう。そして、もちろん「礼」を失することは許されませんが、地位の上下は関係なしに、それぞれが自分の思ったことを言う。一方、死んだ会議では、一方的な報告、形式的な承認だけが行われ、そこには議論や意識の共有はありません。皆さんの会社の会議でも、意味と意識の共有、活発な議論が行われているかを確認してください。そして、もう一つ、ムダな会議も行われていないかをチェックすることも必要です。最悪は、死んだムダな会議を多く行うことであることは言うまでもありません。

【小宮 一慶(こみや かずよし) 】
経営コンサルタント。株式会社小宮コンサルタンツ代表取締役会長CEO。十数社の非常勤取締役や監査役、顧問、名古屋大学客員教授。
フィールドでの実践をもとに、企業規模、業種を問わず、幅広く経営コンサルティング活動を行う一方、年百回以上の講演を行う。新聞・雑誌、テレビ等の執筆・出演も数多くこなす。著書130冊超、累計発行部数350万部以上。

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