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ウイルス問題が長期化する可能性・・・経営者はダウンサイドリスクに備えよ


新型コロナウイルスの影響で生活やビジネスに大きな影響が出ている方も少なくないと思います。当社などはまだましなほうだと思いますが、それでもビジネスに影響が出ています。とくに私個人は影響を受けています。毎年3月は、比較的仕事が少ない時期ですが、私は今月は12か所の講演や研修の仕事がありましたが、今までのところ、そのうちの9か所が延期またはキャンセルとなりました。これまでは、週のうち半分くらいで出張をしていたのですが、今月は月初にテレビ出演と顧問先さんを訪問するのに関西に出張したほかは、月の半ばにあと1回出張があるだけです。取締役会への参加や来客はありますが、仕事も少なく、出張も少ないのでこんなに時間があるのは創業以来初めてだと感じています。

私は、この問題が長期化するのではないかと懸念しています。政府は、ウイルス感染のピークを抑えるために、「ここ1、2週間が勝負」ということで、国民にイベントなどの自粛や小中高校の休校を決めました。そして、その2週間もほぼ終わろうとしています。しかし、よく考えれば、よしんばこの自粛措置でピークの発生が遅れ、かつ山が低くなったとしても、ピークはこれからだと考えられます。先週末から検査が保険で賄われることとなったことで、検査数が増え、感染者数が増えることも考えられます。また、12月決算の上場会社の株主総会は今月末にピークを迎え、数千人単位で来客のある企業もあり、感染が懸念されます。

政府がピークを抑えることを説明した際に使った図の横軸は「時間」でしたが、その時間のスケール(日、週、月)はありませんでした。つまり、ピークはこれからで、かついつなのかは分からないと考えていたほうがいいということです。そうなれば、この先も自粛を続けざるを得ません。場合によっては、4月中は自粛で、政府はさらにゴールデンウイークでのイベントや企業活動等の自粛を求める可能性があります。それでも、その後、感染がピークを迎える、あるいはその後感染爆発が起こる可能性もあります。

幸い、このウイルスの通常の方の致死率は低いですが、それでも治療法や治療薬が確立していない中では、自粛を続けざるを得ないという状況に陥る可能性は低くはないと思います。

また、国内の感染問題だけでなく、中国、韓国との人の往き来が激減し、米国なども往来を抑制しがちで、外国とのビジネスもスローになっています。

こういう時には、経営者は、自社の状況を冷静に判断することです。とくにダウンサイドリスク(最大限被る損害)を考えてください。お客さまの減少のみならず、場合によってはお取引さんの倒産もありえます。その際に、どこまで損害を被るかを考え、セミナーやこれまでのメルマガでも説明しているように、手元流動性(現預金)を十分に確保しておくことです。通常なら、中小企業でも手元流動性は月商の2か月分もあれば十分ですが、今はもう少し多く持っておいたほうが安全です。政府も日本政策金融公庫を通じて中小企業を中心に資金供給を増やす予定ですが、手元流動性が十分でない企業は、「保険」のつもりで借りておくことをお薦めします。

いずれにしても、企業経営者は、この先の見通しを楽観的に見ないことが現時点では大切です。一方、社員に不安もあおるのは良くないですから、リスクを十分に考えたうえで、社内では明るくふるまってください。

【小宮 一慶】

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