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2つの時計を持つ、秘書の仕事

腕時計に「デュアルタイム」という機能があります。
1つの時計で、2つの異なる地域の時刻を表示することができ、海外旅行の時などに便利な機能です。秘書にとって1日の時間とは、自分と上司、2つの時間を同時並行で過ごしています。まさに「デュアルタイム」機能が求められるのが、秘書という仕事なのでしょう。


上司にはスムーズにスケジュールをこなしてもらいつつ、秘書も多岐に渡る仕事を同時進行で行なうことになります。自分の仕事を進めるスケジュールと上司のスケジュール、その両方を頭に入れて、上司のどの地点に、秘書のどの仕事が間に合っていなければいけないか。報連相ができるポイントはどこなのか。上司のどの時間でどの仕事ができ、それを待つ間に、秘書は何を準備しておけばよいのか、等々、2つの時間を行ったり来たりしながら仕事を進めていくのが、秘書における「デュアルタイム」機能です。

例えば、上司が出張先での講演が終わり、次のアポイントまでの移動時間。本日最後の電話連絡が入るのではと予想されれば、その間は席を立たない、自分から電話をかけない等して、電話に出られる状態を作って待ちます。

電話を待つ間には、電話連絡が入った場合に伝えるべき案件を、優先順位に従って整理しておきます。電話中、時間切れになることもよくあるため、直接話したいこと、後からメールでも補えること等を、明確にして準備しておかなければなりません。複雑な案件、微妙なニュアンスや配慮が求められることは、直接話して伝えたいため、その伝え方にも気を遣います。

今は空港にいるからメールが読めるのでは?今は新幹線に乗って1時間経つので、寝ているかもしれない。来客で応接室に入ったから、この間に電話をかける仕事を済ませておこう等、2つの時計を見ながら仕事を進めていくわけです。

私の手帳には、上司が社内にいる時間にブルーのマーカーを引いています。この時間帯は、上司からの確認や依頼事項に対応することが多いため、合間にできる細切れ仕事を組み入れていきます。顔を合わせるのが週に1回ということも多いため、その間に確認しておくべきことや相談事項等も洗い出しておき、この時間に進めていきます。

マーカーを引いていない時間は、上司が外出している時間です。自身の外出や、じっくり考えたりまとめたり集中して行なう仕事は、この時間帯を使ってスケジューリングをしていきます。

手帳の他にも、オフィスに設置しているホワイトボードに、その日の上司のスケジュールを書いておきます。顔を上げてはこれを見て、常に今、上司がどこで何をしているのかを把握し、自分の行動を決めるのが習慣になっています。外出する時も、上司のスケジュールのコピーを持ち歩きます。


上司の時計(=時間)を有効活用して、上司の仕事の生産性を最大化するためのサポートが、私たち秘書の仕事です。だからこそ、自分の時計だけでなく、上司の時計とのデュアルタイム機能を兼ね備えることで、お客さまなど社外の方との円滑な仕事ができるのです。

【井出 元子(いで もとこ) 】
株式会社小宮コンサルタンツ
岩手大学卒業。株式会社リクルート入社後、出版・編集現場のIT化に携わった経験をもとにトレーナーとして転職、Apple認定トレーナー・日本印刷技術協会認定DTPエキスパートとして出版・印刷・音楽業界等でのIT指導や技術セミナーの講師を行なう。移動体通信業界では、販売員の育成や接客コンテントの審査員等を行なう一方、社内インストラクターの育成に当たる。
2008年小宮コンサルタンツ入社、小宮の秘書を務める一方、新人研修やビジネスマナー研修の講師を務める。財団法人、金融機関、医療法人、サービス関連企業にて、新入社員研修、ビジネスマナー研修を実施。秘書技能検定1級。

■ 担当分野 接遇マナー、電話応対、秘書、新人・若手研修
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