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出迎え三歩 見送り七歩

お客さまをお迎えするときは、三歩前に進み出て中に招き入れ、お見送りするときは、七歩外に出てお送りする。お客さまを思う気持ちを表した言葉だそうです。

この言葉、お迎えよりお見送りの方が、四歩多いですよね。

お迎えは、「ようこそお越しくださいました」という歓迎、感謝の気持ちを込めて。そしてお見送りの時は、いらしたいただいたことへの感謝と、お客さまのお帰りの無事を願って。「今日は楽しかったです」「またお会いしたいですね」そんな気持ちも含まれて、お迎えより四歩多くなるのでしょうか。人との出会いとともに、お別れの瞬間がとても大切だということも、この言葉は教えてくれます。


ご来社のお客さまをどこまでお見送りされるかは、会社によって決まっているかと思います。オフィスの玄関まで、オフィスフロアのエレベーター前まで、ビルの前まで、等々。お客さまの背中が見えなくなるまでお見送りすることができないとしても、「見送り七歩」の気持ちをどのように込めたらよいのか。来て下さった事への感謝の言葉をかけ、お辞儀をし、名残を惜しむ気持ちで、お帰りの無事を祈ってお見送りする。すべてがお別れをする瞬間に凝縮しています。

この言葉は、以前ある方に教えていただきました。アポイントの途中で降りだした雨の中、お帰りになるこの方に傘をお貸しした時、「“出迎え三歩 見送り七歩”の心はこれですね」と教えていただきました。お帰りのご無事を思えば、傘のことやお忘れ物を気にかけることもできますし、遠路いらして地理に不慣れなお客さまに、次のご用事の場所や、電車の乗換をご案内することもできます。お帰りの飛行機の時間をお訊ねして、帰路をお調べしてお渡ししたこともあります。

来客対応が続く日など、つい「はい、次」という気持ちになることもありますよね。お辞儀しながら、次の段取りを考えたり、早く応接室を片付けなければと焦ったり。

でも、そんな気持ちは伝わりますよね。自分が帰るのを待っていたかのような空気、挨拶を済ませた途端、ドアがバタンと閉まったり、ふと振り返ったらサッサといなくなってしまっていたら、せっかく気持ちよく終えた訪問の後味が、いっきに冷ややかなものに変わってしまいます。

お見送りは終わりではなく、次にまた来ていただける始まり。また来たいと思っていただけるよう、心を見送り七歩で伝えたいものです。

【井出 元子(いで もとこ) 】
株式会社小宮コンサルタンツ
岩手大学卒業。株式会社リクルート入社後、出版・編集現場のIT化に携わった経験をもとにトレーナーとして転職、Apple認定トレーナー・日本印刷技術協会認定DTPエキスパートとして出版・印刷・音楽業界等でのIT指導や技術セミナーの講師を行なう。移動体通信業界では、販売員の育成や接客コンテントの審査員等を行なう一方、社内インストラクターの育成に当たる。
2008年小宮コンサルタンツ入社、小宮の秘書を務める一方、新人研修やビジネスマナー研修の講師を務める。財団法人、金融機関、医療法人、サービス関連企業にて、新入社員研修、ビジネスマナー研修を実施。秘書技能検定1級。

■ 担当分野 接遇マナー、電話応対、秘書、新人・若手研修
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