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秘書同士の連携が生み出す、秘密の対応術

日頃は電話やメールでのやり取りが多いのが秘書の仕事です。電話やメールでは何年もお付き合いさせていただきながら、未だにお目にかかっていない方もいらっしゃいます。

他社の秘書の方でも、お会いできていない方はたくさんいらっしゃいますが、可能な限りお会いして、顔の見える関係を作っておくことは、より細やかな対応をする上で欠かせません。秘書未経験でこの仕事についた私には、他社の秘書の方から勉強させていただいたことがとても多く、それが今の仕事に大いに活かされています。また、秘書の仕事というのは、会社や仕える上司によって、仕事内容やその領域が大きく異なります。だからこそ、それぞれの会社での秘書の方の立ち位置を知っておくことは、様々な依頼や交渉、調整を行なう上で、とても役立つのです。

ですから、他社の社員の方であっても、秘書同士は同じ仕事をする「同志」のような感覚があります。以前、こんなことがありました。


ある方から、私の上司宛に贈り物が届きましたが、中身を見ると、それは私の上司宛ではなく、別な会社、A社様の社長宛となっています。一般的には贈り主の方にご連絡して、間違った荷物が届いていることをお伝えし、いったんお返しするのが正しい対応となるでしょう。

しかしA社様の秘書の方とは、日頃からお世話になっている、よく知っている方でした。そこでまずはA社の秘書の方に直接ご連絡したところ、なんと先方には私の上司宛の荷物が届いており、ちょうど私に連絡をしようと思っていたところだったのです。贈り主の方も、お互いよく存じ上げている方でしたので、おそらくは単純にA社様と弊社との贈り物が入れ違ってしまったのだろうと推測できました。

そこで、私とA社様の秘書の方とでお互いに贈り物を交換し合い、何事もなかったようにそれぞれの上司に贈り物を渡すことができました。贈り主の方にいったんご連絡を差し上げれば、その方に恥をかかせることになり、お詫びなど余計なご負担をおかけしてしまいます。せっかく贈り物をくださったお気持ちに水を差すことにもなりますし、上司から見ても贈り先を間違うというのは、あまり気持ちのよいものではないかもしれません。このケースでは、贈り主様がよく存じ上げている方であり、私とA社様の秘書の方とが、互いに率直にご相談できる関係だったため、スムーズな対応を取ることができました。

秘書は裏方、誰にも知られない仕事がたくさんあるからこそ、「私達二人だけの秘密にしておきましょうね」と笑い合えることは、信頼できる秘書同士にだけ許される仕事術です。秘書同士が連携し合うことで穏便に解決できることが、この仕事にはたくさんあるのです。

 

【井出 元子(いで もとこ) 】
株式会社小宮コンサルタンツ
岩手大学卒業。株式会社リクルート入社後、出版・編集現場のIT化に携わった経験をもとにトレーナーとして転職、Apple認定トレーナー・日本印刷技術協会認定DTPエキスパートとして出版・印刷・音楽業界等でのIT指導や技術セミナーの講師を行なう。移動体通信業界では、販売員の育成や接客コンテントの審査員等を行なう一方、社内インストラクターの育成に当たる。
2008年小宮コンサルタンツ入社、小宮の秘書を務める一方、新人研修やビジネスマナー研修の講師を務める。財団法人、金融機関、医療法人、サービス関連企業にて、新入社員研修、ビジネスマナー研修を実施。秘書技能検定1級。

■ 担当分野 接遇マナー、電話応対、秘書、新人・若手研修
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