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上司を守り相手を立てる、電話営業の対応

【秘書:井出 元子】

皆さんの会社にも、営業のお電話や売り込みの訪問があるかと思います。特に上司への取次ぎを希望される営業の方に、どのように対応していますか。

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秘書は、他の人が上司に接触することを管理する立場にあります。営業や売り込みの情報については、その情報が上司の時間をかけるだけの価値があるのか。組織にとって利益があることなのか。代理の人間で対応可能なことではないかを考えて、秘書が一次対応をすることになります。

必要がなければきっぱりお断りすることは大切ですが、例え営業電話であっても、電話の向こうにいるのは人間です。また、その瞬間はたまたま先方が営業マン、こちらがお客さまという関係ですが、時と場所が変われば相手がお客さまになることも充分にあり得ます。必要以上に相手を不快にすることなく、「案件は断られたけれど、いい対応をしてくれる会社だ」と思っていただけるよう心がけています。

上司への取次ぎ希望については、「○○(上司の名前)はオフィスにいることが少ないため、いったんご用件は秘書が承ります」とお答えしています。「今日は不在」「ご用件は?」などと漠然と答えると、「また改めます」となり何度もお電話いただくことになりますので、「いったん秘書が聞くルールになっている」ことを、言外にお伝えすることで、簡単にトップに営業電話が繋がらない会社であることを認識していただきます。

そして要件を伺ったうえで、判断して責任を持って対応します。

自社でニーズのない案件であれば、当面予定がないことをお伝えして、お断りします。今回はないが、機会があればその時はお願いしたいと申し添えています。担当者が別にいる場合は、担当に繋ぎます。

上司から断るように言われているものについては、「本人が興味がない」、「すでにお願いしている所がある」等、理由を明確にした上で、はっきりとお断わりしています。

その場で判断できない場合は、まずは要件を伺い、「お願いする際は」「興味があるようなら」こちらからご連絡すると答えて、連絡先を伺っておきます。

このような対応をするための前提として、日頃から、上司や社内は、どのような情報であれば必要としそうか、興味がありそうかを日頃からリサーチしておく必要があります。また、上司の知り合いを装って親し気に電話をかけてくる方もいますので、上司の交友関係をある程度把握しておくことも求められます。ただし長年秘書をしていると、お話している中で本当に知人なのかどうかは、ある程度分かってくるものです。また、営業と思って冷たく対応したら、実は本当に知人だったということもあり得ます。どちらであっても失礼のないよう、どなたにも丁寧に対応したいものです。

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断る場合の言い方として気をつけるのは、「せっかくご案内いただいたのに、お役に立てず申し訳ない」「お役に立てそうもないことでお時間を無駄にしても申し訳ない」「(何かの機会に)お力添えいただくこともあるかと思うので、その際はよろしくお願いします」等、先方を立てること、完全に拒絶しない言い方に配慮しています。ご案内くださったことに感謝の気持ちを持って、柔らかい口調でありながら、凛とした対応をすることで、この秘書の関門は、簡単には通過できないと思っていただくことが大切です。

【井出 元子(いで もとこ) 】
株式会社小宮コンサルタンツ
岩手大学卒業。株式会社リクルート入社後、出版・編集現場のIT化に携わった経験をもとにトレーナーとして転職、Apple認定トレーナー・日本印刷技術協会認定DTPエキスパートとして出版・印刷・音楽業界等でのIT指導や技術セミナーの講師を行なう。その後、移動体通信業界に転じ、販売員の育成や接客コンテントの審査員等を行なう一方、社内インストラクターの育成に当たる。2008年小宮コンサルタンツ入社、小宮の秘書を務める。秘書技能検定1級。
■担当分野 接遇マナー、電話応対、秘書、新人・若手研修

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